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Vol.4 18学生を会社説明会に向かわせるためには

第4回目の人事担当者様向けコラムでは、学生さんたちをどう会社説明会に誘導していくかに焦点を当ててみたいと思います。
近年の就職活動では、学生たちのエントリー企業数は40社ほどに上ります。もし仮にすべての会社の説明会に参加するとなると、1日1社なら40日かかります。ダブルヘッダーで入れても20日です。日程調整も加味して考えると、エントリーした企業すべての会社説明会に出ることが不可能なことは明白でしょう。つまり、エントリーしてくれた学生たちに、今度は「会社説明会に行ってみよう」と思ってもらう必要がある、言い換えれば、選んでもらう必要があるということになります。

まず、当たり前のことで恐縮なのですが、情報のない企業の説明会に参加しようと考える人は稀でしょう。貴重な時間を費やして会社説明会に参加するのです。有意義なものになるかどうか、事前に情報を得て見通しをつけたいと考えるのが自然だと思います。情報は、量がすべてではありませんが、ある程度の量がなければ伝わるものも伝わりません。テキストだけより写真があった方がよいでしょうし、写真も1枚、2枚ではなく数枚以上あった方がよいでしょう。SJCナビだけでなく自社のWebサイト上にも採用情報を載せている企業が増えていますが、そちらの充実を図るのも良策です。

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では、すでに十分な情報を提供している企業はどうでしょうか。
SJCナビに掲載されている企業のページを見てみると、ナビのページはもちろん、そこからリンクされている自社Webサイトの採用情報にも多くの情報が掲載されており、大変充実した内容を提供している企業が増えていると感じます。そうした企業では、これ以上情報を増やしたとしても学生側がすべてを読み切れない(読み切る意欲を持てない)と思われます。
こうした情報は、商品に例えるならばカタログのようなものでしょう。良いところがきちんとアピールされており、きれいにまとまった情報……ところが、私たちはカタログだけではなかなか商品を決めきれないものです。みなさんはカタログを見たとき、こんな気持ちになることはないでしょうか。
「いいことばかり並んでいるけれど、本当のところはどうなの?」
学生たちも、まさに同じような気持ちになっているものと思われます。どの企業のページにも、笑顔でエネルギッシュな社長の写真や、和気あいあいとした社員たちの姿、そして先輩社員たちが楽しく働いているというエピソードが載っています。一方で学生たちは、メディアや先輩たちからの情報で、世の中は決してそんな会社ばかりではない、ということも感じています。そこから学生たちは「いいことばかり並んでいるけれど、本当のところはどうなの?」という不安を持つに至るのです。


ここから導き出される答えは、「情報に信憑性を持たせる」ということになります。いかに真実を伝え、そしてそれが真実であると伝わるよう工夫をするか。例えば自社の雰囲気を伝える場面で「明るく和気あいあいとした職場です」という言葉をよく見かけますが、それはレストランのメニューで「おいしい」と書いてある程度の効果しかないと考えるべきでしょう。顧客が知りたいのは「どうしておいしいのか」であり、そこに納得したとき、はじめて「このお店は他のお店とは違う」と判断します。「100%国産の材料」「収穫期に合わせて世界中から食材を調達」「もっともみずみずしい朝採れの野菜を使用」「日本で3人しかいない○○マイスターのお店」など、レストランでは「おいしい」という言葉だけでなく、「どうしておいしいのか」が伝わるよう苦心しています。採用でもまったく同様に「なぜ明るく和気あいあいとした職場だといえるのか」が伝わらなければ、他社との差別化にはなりません。「こんな事件があって、そのとき社員たちはこんな対応をした」といった具体的なエピソードを載せたり、「全社アンケートで「当社は和気あいあいとした会社」と答えた人が3年連続90%を超えています」といった数字を使ったり、いろいろな手法があると思います。各社それぞれによいところがあるのですから、それを伝わるよう表現できなければもったいないことではないでしょうか。

ところで、このあたりの話は皮肉なことに学生さんに対するエントリーシートの書き方指導とも重なります。人事担当者のみなさまは、「最後まであきらめない性格です」「誰とでもコミュニケーションが取れる人間です」といった言葉を嫌というほどご覧になっているかと思いますが、そうした気持ちを持ちながら自社の情報を見てみると、修正点が見えてくるかもしれません。

次に、学生へのアプローチを考えてみたいと思います。
一斉メールで会社説明会の案内を送る企業は多いと思います。もちろん、それはそれで効率的でよい方法なのですが、学生たちの下にはそうしたメールが大量に届くわけで、読んでくれるかどうかも怪しいと言わざるを得ません。例えばメルマガの場合、開封率は5~10%程度なのだそうです。実際に申し込む割合はさらに下がりますから、これだけで会社説明会の動員数を増やそうと考えるのは、ちょっと虫のいい話といえそうです(一般にDM引き合い率は0.1%と言われます。郵送DMと一斉メールでは多少違いはあると思われますが、5000通送っても反応は5件程度に終わるかもしれません)。
電話番号がわかっていれば、電話による会社説明会への勧誘も有効です。もちろん限られた時間の中で電話をせざるを得ないでしょうから、「合説に来た学生」「インターンシップに参加した学生」など、過去にコンタクトが取れている人を優先するという方法もあります。まったく参加する気がない学生さんを翻意させることは難しいと思いますが、参加を迷っていた学生さんは、電話アプローチによって参加を決断してくれる可能性が高まるでしょう。人は背中を押してくれれば行動しやすくなりますが、誰も背中を押してくれないと、楽な方に流れがちです。会社説明会への参加を迷って揺れている学生さんが、電話の向こうにいるかもしれないのです。

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最後に、開催日程のことで私の体験談をお話します。
就活時期の学生さんの手帳を見せてもらったことが何度かありますが、今の学生さんの就活は本当に過密スケジュールになっています。学業やアルバイト、友人との付き合いもあり、1日に何件も予定が入っている「社会人顔負けの忙しさ」の学生さんも少なくありません。そこで私は、採用担当をしていた当時、日曜日に会社説明会を開催しました。もちろん、数回ある会社説明会のうち日曜日を充てたのは1回か2回だけでしたが、その日の学生さんのアンケートには「土曜日に開催してくれる企業は多いが、日曜日というのはなかった。学生のスケジュールを理解してくれていると感じ、本当にありがたかった」「会社説明会に行きたかったが、他の企業と日程がぶつかり、諦めようと思っていた。日曜日の開催があると知り、参加することができた」といった声が寄せられました。採用上競合する企業が県内にある(同業界の会社や、企業規模や社風が近い会社など)場合などは、日曜日に会社説明会を実施することで、並行して選考に臨んでもらえる可能性を残せるかもしれません。
もちろん、日曜日に開催した場合は代休を取ってほしいと思います。そして、代休を取っていることも学生さんにアピールしておくとよいでしょう。「日曜日まで働かせているブラック企業」と思われるか、「学生さん思いで、その上、代休もきちんととれる会社」と思われるかの境目でもあります。使えるものは1つでも有効に使いたいものです。

 
 
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