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28.「働き方改革」への取り組み(1)まずは自身から

これまでは、改革を進める前段階の話を書いてきましたが、今回からは実際の進め方のヒントを紹介していきます。
「改革」はチームで、全社で取り組まなければならない大きな課題ですが、まずは読者のあなた自身の行動を変えることからはじめましょう。

今までの仕事のやり方のままで、「今日から定時で帰ります!」と宣言して実行したならば、自身の仕事がオーバーフローするでしょうし、チームメンバーにも迷惑がかかり、メンバーからの信頼失ってしまいますよね。
まずは、あなたの「仕事ぶりが変わった」「明らかに効率アップしている」「周りに気遣う余裕が出てきた」と周りに認められることを目指していきましょう。
そのうえで、あなたのチームの生産性向上に取り組んでいくのです。
 
コラム写真01
『時間という貴重な資源』を意識して行動する
速読法を習って資料を速く読む、PCのタイピングのトレーニングをして文書を素早く作る、エクセルのショートカットを活用して資料作りの時間節約をするのも悪くはありません。しかし、実際に短縮できる時間は大きくないでしょうし、いずれ限界が来ます。
時間の使い方について発想を転換して、自身の仕事の生産性向上を目指しましょう。

(1)探し物をしている時間
資料はどのようなルールで保管していますか?
手元に持ちすぎていませんか?
情報共有はできていますか?
資料が見つからないとトレーの中をかき回したり、あちこちの引き出しを開けたり、キャビネットの前でウロウロしたり…これらの時間が一日でどのくらいあるでしょうか。トータルすると相当の時間になるのではないでしょうか。
資料は後々の利用を考えて、「共有する」「誰か一人の担当者が持つようにする」「自分が(専ら)管理保管する」に分類し、分類できないものは思い切って「廃棄」するようにしましょう。

(2)集中モードに入るまでの時間
仕事に取り組むまでの流れを、飛行機の運行で例えます。(上空に達して、もっとも燃料効率よく飛ぶ速度を巡航速度と言います。国内線ですと1時間くらいであとは上昇、下降になってしまいますが、欧米路線だと10時間以上も巡航速度で飛び続けます。)
・空港でお客様を乗せ(=仕事に必要な資料・道具を集め)
・滑走路までタキシングし(=PCを立ち上げ、器具のセッティングをし)
・フルパワーで離陸し(=仕事集中モードまで気分を高め)
・巡航高度で安定飛行に(=集中して仕事に取り組む) 
このようなイメージです。
巡航高度・速度になってオートパイロットで飛行していても、気流の変化、他の飛行機との航路調整などの突発的な対応は必要です。仕事でも来客、電話などは無視するわけにはいきません。

ここで、ポイントは3つ。
1.巡航高度・速度に達する(=仕事に集中する)までの時間をいかに短くするか。
2.巡航高度・速度を維持するため、天気図や航路調整などの情報収集をする(=午後に来客のアポをとるようにするなどして、まとまった時間を確保する習慣)
3.十分な燃料と機材点検(=集中力を持続する気力と使用するPC、事務機器等のメンテナンス)です。

(3)時間を区切る
予定外の会議・打ち合わせに招集されることがあります。その場合にも最初に「○○分なら時間が取れる」「〇時〇〇分までならOK」と言っておくことです。そして、集中して打ち合わせをして時間内にきっちりクローズすることです。どうしても長くなってしまいそうであれば、メンバーに頼んでミーティング会場に電話を入れてもらい、退出する手段もあるでしょう。
また、メンバーから報告を受ける時にも、5分で、10分でといったように時間区切って、その中でもれのない伝達を意識させることも必要です。

(4)メールのチェック
IT部門でソフトウェアの開発やデータ処理をしている社員は、2台のディスプレーを駆使して仕事をしていることがあります。傍で見ていてもその仕事ぶりには感心してしまいます。
しかし一方で、1台をメール受信専用にしていて、もう1台の方でのみ通常の業務をしている者も少なからずいます。するとメールが来るたびにそちらにすぐ飛びついてしまい、通常の(本来の)業務が細切れになって、集中が途切れ、ミスや後戻りが増え、大きく効率を落としています。2台のディスプレーを使っても生産性が上がるのではなく、かえって落としてしまっています。ノートPCでも、メールの受領通知が出るたびに切り替えて対応していたのでは効率は上がりませんし、質も確保できません。

素早くレスポンスをすることが重要には違いありませんが、本来の仕事に集中できなければ本末転倒です。メールのチェックを朝一番、午後一番、夕方、退社直前(緊急対応のみ)の3回程度にしてそれをその時間に確実にすることに決めるとよいでしょう。
この頻度のチェックで対応できないような緊急事態はそうないはずです。心配であれば、周りのメンバーに、自分はメールのチェックを日に何回、どの時間にするか伝えておけばいいでしょう。

これらのことを自ら取り組むだけでも、集中して業務に向かうまとまった時間がこれまで以上に確保できるでしょう。周りのメンバーも変化に気づくはずです。そうなったら次のステップ、グループでの目標(目指す姿)の共有に進めます。これについては次回に書いていきます。それまでの2週間、ぜひ挑戦してください。
 

Topics : 副業・兼業の推進に向けたガイドライン

この度総選挙が行われたため、秋の国会で審議される予定だった「働き方改革基本法案」の提出が来年1月召集の通常国会に先送りになってしまいました。メインとなるのが、「残業時間の上限規制」「同一労働同一賃金」「脱時間給制度」です。
あまり新聞などでも取り上げられないのですが、「副業・兼業の推進」についても検討がなされています。これからガイドラインが出て、関連する法律や制度との調整がなされなければなりません。
実務担当者としては、国の動きを追いかけておく必要がありますし、企業としてどのように対応していくかを社内で議論しておくことをお奨めします。
「平成29年3月28日 厚生労働省 働き方改革実現会議決定事項」を参考にしてください。

働き方改革実行計画(抄)
(3)副業・兼業の推進に向けたガイドラインや改定版モデル就業規則の策定

副業・兼業を希望する方は、近年増加している一方で、これを認める企業は少ない。労働者の健康確保に留意しつつ、原則副業・兼業を認める方向で、副業・兼業の普及促進を図る。副業・兼業のメリットを示すと同時に、これまでの裁判例や学説の議論を参考に、就業規則等において本業への労務提供や事業運営、会社の信用・評価に支障が生じる場合等以外は合理的な理由なく副業・ 兼業を制限できないことをルールとして明確化するとともに、長時間労働を招かないよう、労働者が自ら確認するためのツールの雛形や、企業が副業・兼業者の労働時間や健康をどのように管理すべきかを盛り込んだガイドラインを策定し、副業・兼業を認める方向でモデル就業規則を改定する。
また、副業・兼業を通じた創業・新事業の創出や中小企業の人手不足対応について、多様な先進事例の周知啓発を行う。
さらに、複数の事業所で働く方の保護等の観点や副業・兼業を普及促進させる観点から、雇用保険及び社会保険の公平な制度の在り方、労働時間管理及び健康管理の在り方、労災保険給付の在り方について、検討を進める。

具体的な施策は、
1.ガイドラインの策定
2.モデル就業規則の改定
3.複数の事業所で働く方の保護や副業・兼業の普及促進に関する制度検討
4.副業・兼業を通じた創業・新事業の創出、人材確保
という順番で進めるとされています。
最終的には「希望者は原則として副業・兼業を行うことのできる社会にする」を目標にしており、2027年以降にすべての環境整備を行うとしています。

次回「第29回 働き方改革への取り組み(2)チームの目標を決めよう」は12月19日掲載の予定です。
大庭純一

Jerry O. (大庭 純一)
1956年 北海道室蘭市生まれ、小樽商科大学卒業。静岡県掛川市在住。
ドラッカー学会会員。フリーランスで、P.F.ドラッカーの著作による読書会、勉強会を主催。
会社員として、国内大手製造業、外資系製造業、IT(ソフトウェア開発)業に勤務。
職種は、一貫して人事、総務、経理などの管理部門に携わる。社内全体を見通す視点、実働部隊を支える視点で、組織が成果をあげるための貢献を考えて行動をした。
・ISO9000s(品質)ISO14000s(環境)ISO27000s(情報セキュリティー)に関しては、構築、導入、運用、内部監査を担当。
・採用は新卒、キャリア、海外でのエンジニアのリクルートを担当。面接を重視する採用と入社後のフォローアップで、早期離職者を出さない職場環境を実現。
・グローバル化・ダイバーシティに関しては、海外エンジニアの現地からの直接採用、日本語教育をおこなう。日本人社員に対しては、英語教育を行う。
・社内教育では、語学教育のみならず社内コミュニケーションの活性化、ドラッカーを中心としたセルフマネジメント、組織マネジメント、事業マネジメントを指導。

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