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【人事よ、臆せずススメ!】第9回 自分自身をマネジメントする(2)

「ドラッカー」を読んでみよう(2)
なぜ、いまドラッカーなのか?
P.F.ドラッカーは、1909年生まれ、2005年没。 20世紀最大の哲人、マネジメントの父などと呼ばれています。一方、ドラッカー本人は、自らを「社会生態学者」と呼び、政治、社会、経済の転換を書き、その膨大な著作は世界中で競って読まれてきました。
 

先に紹介した『経営者の条件』(原題:The Effective Executive)は1966年の著作です。今から50年も前なのです。この著作がいまもって読み続けられている理由について考えていきます。
 

皆さんは、マネジメントに関するセミナーに参加したり、How-Toを書いた本を読んだりすると思います。これらによって、実際的な知識や、現代的な話題を学ぶことが出来ます。しかしながら、これらは仕事をする上での「手法」を学んでいるのです。環境が変化すれば、用いる手法も変わります。数多くの手法を身につけ、次々にアップデートしていかなければなりません。

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一方、ドラッカーを読む(学ぶ)ということは、「原理・原則」を身につけることです。環境の変化に対応して適応できる「軸」を自分の中に作ることです。
 

一つのたとえですが、燃えている火を消すには、水をかける、消火剤をかけるのが一般的(一つの手法)ですね。しかしこの方法ですべての火災には対応できません。そのために、燃焼の原理・原則を知っていなければなりません。可燃性物質・酸素・発火点以上の温度(火源)が燃焼の3要素です。(燃焼の連続反応をあわて4要素とする場合もある)
これを知ったうえで、実際の火災に対処することが必要です。コンピュータのサーバー室での初期火災の場合には、二酸化炭素の消火器(緑色の容器)を使います。フェリーボート内の車両火災では、泡消火器を使います。天ぷら火災も水をかけると危険ですよね。このように、しっかり「原理・原則」を学んだうえで、その応用として「手法」を身につけていくことが必要なのです。
 

セミナーやHow-To本でドラッカーの言葉をよく引用しています。紹介している手法が原理・原則に適合していることの証左(必要条件)として引用しているのでしょうが、その手法が必ずしも原理・原則から見て成果をあげられる(十分条件)とは限らないのです。この意味からも、まずしっかり「原理・原則」を押さえておくことの重要性が解ると思います。
 

ドラッカーの著作を、「カルピスの原液のよう」といった人がいます。そのココロは、「とてもそのままでは飲むことができない。水で希釈して、初めておいしく飲める。原液なので腐らない。長期保存が効く。」とてもうまい譬えだと思います。
 

一人でコツコツ学ぶタイプの人も、ぜひ「何から読むか、どう読むか」を先達に教わってから挑戦してください。ドラッカーの膨大な著作群、論文、寄稿文などを総称して「ドラッカー山脈」などとも言います。初心者がいきなり3,000メートル級の山に挑んだら遭難してしまいます。
先に紹介した「読書会」(*1)の利用がお勧めです。また、ドラッカー学会(*2)の学会員にも指導者、教育者が多く在籍しています。ぜひ、そこから学んで、ご自身の組織内に伝えていく登山ガイドになっていってください。
 

コラム写真01
《ドラッカー山脈 これでもごく一部です》
 

(*1) 実践するマネジメント読書会®  http://dokusho-kai.com
(*2) ドラッカー学会 http://drucker-ws.org
 

次回「第10回 社内(部内)勉強会のススメ」は7月20日掲載の予定です。

大庭純一

Jerry O. (大庭 純一)
1956年 北海道室蘭市生まれ、小樽商科大学卒業。静岡県掛川市在住。
ドラッカー学会会員。フリーランスで、P.F.ドラッカーの著作による読書会、勉強会を主催。
会社員として、国内大手製造業、外資系製造業、IT(ソフトウェア開発)業に勤務。
職種は、一貫して人事、総務、経理などの管理部門に携わる。社内全体を見通す視点、実働部隊を支える視点で、組織が成果をあげるための貢献を考えて行動をした。
・ISO9000s(品質)ISO14000s(環境)ISO27000s(情報セキュリティー)に関しては、構築、導入、運用、内部監査を担当。
・採用は新卒、キャリア、海外でのエンジニアのリクルートを担当。面接を重視する採用と入社後のフォローアップで、早期離職者を出さない職場環境を実現。
・グローバル化・ダイバーシティに関しては、海外エンジニアの現地からの直接採用、日本語教育をおこなう。日本人社員に対しては、英語教育を行う。
・社内教育では、語学教育のみならず社内コミュニケーションの活性化、ドラッカーを中心としたセルフマネジメント、組織マネジメント、事業マネジメントを指導。

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