【人事よ、臆せずススメ!】第5回 強みについて(2)
「自分の強みを知り、生かす」
前回(第4回)では、「強みとは何か」について解説しました。今回は、具体的に自分自身の強みの見つけ方について紹介します。
ドラッカーのいう、フィードバック分析(前回紹介)は時間がかかりますが、唯一確実な方法です。これは確実に実施してください。
ドラッカーが言っているもう一つの強みの見つけ方。こちらは「超」簡単な方法ですが、観察力を要します。
「他人が苦労してやっていることで、自分だったら簡単にできてしまうこと」はないか?これをいくつか見つけ出し、書きとめる。そのリストから何か見えてきませんか?この繰り返しと、上記のフィードバック分析を並べて見てください。
前回、強みとは「資質」に起因すると言いました。単なる得意なこととは違います。
例えば、英語が得意で、ビートルズの曲を英語で上手に歌えても、欧米人とビジネスの交渉に使えなければ仕事をしていく上で意味がありません。
ギャラップ社の開発した「ストレングス・ファインダー」というツールがあります。これは、その人の持っている資質をウェブテストで判定してくれるというものです。
「実行力」「影響力」「人間関係力」「戦略的思考力」の4つのカテゴリーに分類された34の資質から、あなたの5つの特徴的な資質をあげてくれます。すでに全世界で数百万人が実施済と言われるものです。
『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版』という書籍にウェブテストのアクセスコードがついています。30分程度でできるものです。
日本では、2001年に出版され、このたび2017年4月に新版ストレングスファンダー2.0が出ました。下記URLを参照ください。
http://www.nikkeibook.com/book_detail/32143/
この結果(あなたの特徴的な5つの資質)について、書籍中の資質の解説・行動アイデアを読んで理解するとともに、ご自身の仕事の(成果の)振り返りを比べていくことによって、強みとする自身の仕事のやり方、周りの人への影響力の与え方が見えてきます。
ちなみに、著者の特徴的な5つの資質を紹介すると、
5年前に実施した結果:内省、収集心、学習欲、最上志向、共感性
今回2017.05の結果 :学習欲、収集心、アレンジ、運命思考、コミュニケーション
若干違っていますが、「人間関係構築力」「戦略的思考力」に強みがあり。「実行力」「影響力」についてはあまり強みがないという結果です。
ということは、管理部門のマネジャーとして、共感性・アレンジ・コミュニケーション力を使い社内の調整を図り、学習欲・収集心を使って社内教育などのプログラム作成、実施ができてきたのではないかと考えられます。
まず、ご自身でやってみてください。さらにチーム内でもやってみると、メンバーの資質(強み、得意な仕事の仕方)やチームとしての資質も見えてきます。
次回以降「上司の強みを生かす」「強みを生かした人事」について書いていきます。
次回「第6回 強みについて(3)」は6月30日掲載の予定です。
Jerry O. (大庭 純一)
1956年 北海道室蘭市生まれ、小樽商科大学卒業。静岡県掛川市在住。
ドラッカー学会会員。フリーランスで、P.F.ドラッカーの著作による読書会、勉強会を主催。
会社員として、国内大手製造業、外資系製造業、IT(ソフトウェア開発)業に勤務。
職種は、一貫して人事、総務、経理などの管理部門に携わる。社内全体を見通す視点、実働部隊を支える視点で、組織が成果をあげるための貢献を考えて行動をした。
・ISO9000s(品質)ISO14000s(環境)ISO27000s(情報セキュリティー)に関しては、構築、導入、運用、内部監査を担当。
・採用は新卒、キャリア、海外でのエンジニアのリクルートを担当。面接を重視する採用と入社後のフォローアップで、早期離職者を出さない職場環境を実現。
・グローバル化・ダイバーシティに関しては、海外エンジニアの現地からの直接採用、日本語教育をおこなう。日本人社員に対しては、英語教育を行う。
・社内教育では、語学教育のみならず社内コミュニケーションの活性化、ドラッカーを中心としたセルフマネジメント、組織マネジメント、事業マネジメントを指導。